デビッド・クローネンバーグの新作、
イースタン・プロミスを観てきました。
前回のヒストリー・オブ・バイオレンスと同じコンビ、
クローネンバーグ、ヴィゴ・モーテンセンのコンビです。
前回の映画も暗い内容でしたが、もともとがコミックが
題材だったので、楽しめるアクション映画の部分も
ありました。しかし今回は「人身売買」が主題なので、
沈鬱、暗い映画となりました。
映画の内容はネタバレになってしまうので、詳しく
書けませんが、この映画の見所はロシアマフィアの
運転手をやってる、ニコライ役のヴィゴ・モーテンセンの演技。
特にサウナで格闘する場面なんかは、すごい迫力。
この人50近いのに、体の鍛え方は半端じゃない。
クールで、影があって、腕っ節も強い。
でもそれだけでない、秘められた何かがある。
映画の中で、それがつまびらかにされていくのですが、
まっ、それはそれとして、それ以外でも観る価値十分。
少し前のNHKの特集で、サプライに疲弊した
ニューヨークに代わって、世界の金融都市に戻りつつ
あるロンドンの特集をやってました。
呼び込む資本のターゲットは、資源特需に沸くロシア。
ロシアのお金、人を呼び込むことによって、
今のロンドンの繁栄はあるのです。
そしてこの映画では、その反対側の闇の部分を描いた。
映画を観終わって、映画館から暑い初夏の日差しの下へ。
暗く、寒い、体だけでなく心も凍える冬のロンドンから、
能天気な初夏の日本へいきなり戻った。
こいった幻想と現実の落差を感じさせてくれるのも、
クローネンバーグの映画の魅力なのです。
俺も今から鍛えれば、あの体になる・・・
わけないなぁ。