マッチポイント


ウディ・アレンの最新作マッチポント観てきました。


内容はというと、元テニスプレーヤーのクリス
(ジョナサン・リース・メイヤー)が上流階級の女性と
知り合って結婚、その女性の父親に認められビジネスで
成功を納めていく。しかしその結婚前に知り合った、
その妻となる女性の兄の婚約者である奔放なアメリカ女性ノラ
(スーカレットヨハンソン)とひょんなことから関係をもってしまい、
その関係におぼれていく。


ビジネスでの成功を納めながらも、ノラとの愛欲に溺れていく
クリス。最後にはノラが妊娠してしまい、妻との離婚を迫られて
にっちもさっちもいかなくなって・・


最初の場面で主人公のクリスが読んでる、罪と罰とか
人間のもつ運についての講釈だとか(おそらく私にはわからない
ですがオペラも)いろいろな伏線が入念に準備されてて、
後でなるほど脚本的によくできているとなと思いました。
観ながら、なぜロンドンなのか、浮気相手がアメリカ女性で
ある理由、その他もろもろ合点がいくようになってます。


しかしこの映画の眼目は、なんとなく感じる後味の悪さ、
すっきりしない顛末、それと感情移入を許さない登場人物の
俗さ加減でしょう。妻を裏切りつつ、愛人関係を断ち切れない主人公。
その妻にしろ、子供、子供、子供、子供を生むことしか頭にない。
その他いろいろな登場人物が出てきますが、どれをとっても
こいつは「いいやつ」「共感できる」なんてのは1人も
出てこない。


なんか煮え切らない、後味がすっきりしない。
べちょーっとした人間関係。


うん、本来の人間、社会とはこういったものなのでしょう。
「いやなやつ」の代表格の私は、こう、つらつら考えるのです。