根岸吉太郎監督の「雪に願うこと」を名古屋シネマテークにて鑑賞。
輓馬(ばんば)を題材に人間模様を描いた映画です。
母親、兄を捨てて東京で事業を起していた弟が事業に失敗、
会社をつぶしてしまい、故郷に逃げ帰ってくる。
逃げ帰った先は、元騎手で現在はばんえい競馬の
調教師をしている兄のところ。
その逃げ帰った兄の厩舎で、馬と仲良くなって、
厩務員、勝てない若手騎手、賄いのおばさんなんかとも
打ち解けていくいくうちに、負け続けの馬を勝たせる目標を
もって調教に励むようになる。
話としては大体予想できる、ありがちな話です。
主人公の調教師の弟役の伊勢谷友介、勝てない騎手役の吹石一恵が
イマイチ線が細い感じで、特に吹石一恵は騎手役ではチョットつらい。
個人的には、人間ではなくて馬の映像を期待していたのですが、
その点は人間がかえって邪魔。もう少し馬のもつ迫力というか、
魅力を描いてもらいたかったです。
今から多分20年くらい前でしょうか、輓馬輓馬のドキュメンタリーを
NHKで見ました。体からもうもうと湯気を立てながら橇を
引き続ける輓馬を見て、その黙々と訓練をするさま、馬の息遣いに
ひどく感動しました。そして北海道に行ったときばんえい競馬を
見に札幌から3時間かけて旭川まで電車で行きました。
いつもは馬についてはサラブレットばかりです。
しかし輓馬もすごくいい。1トン超える馬もいますが、
力持ちでとても目がやさしそう。私も飼いたい。
スピード優先のサラブレットと力持ち比べの輓馬ですが、
勝負の厳しさは同じです。というかサラブレットより輓馬のが
厳しいかも。年間賞金が100万円以下ならお肉にされちゃう。
そもそも競走馬になるときに能力試験があって、それに受からないと
そのままお肉の工場に出荷されちゃう。
キビシー、馬でなくてよかった・・