ヒストリー・オブ・バイオレンス

ishidatax2006-03-26

クローネンバーグの新作
ヒストリー・オブ・バイオレンス」を観てきました。


クローネンバーグは新作がでると必ず観る、
数少ない監督のうちの一人です。
今回もその期待を裏切らないできばえだと思います。


アメリカの片田舎で、食堂を営む平凡な主人公トム(ヴィゴ・モーテンセン)。
その主人公の営んでる食堂に、ある日2人の強盗がやってくる。
主人公のトムは機転と素人とは思えない手際のよさで、
その2人の強盗を殺してしまいます。


その英雄的な行為で、マスコミに華々しく取り上げられるトム。
その取り上げられたニュースを見て、そのトムの昔を知っているという
マフィアが付きまとうようになります。
最初はまったく信じていなかった妻もだんだんと夫の過去について、
疑念を抱くようになる・・・


クローネンバーグといえば、神経症と思えるようなねちっこい演出や
映像が特徴ですが、今回はそれを考えると比較的あっさりめかも。
それでも画面にみなぎる緊張感、そのテンションの高さ流石です。
90分ほどの時間があっという間にたってしまいました。


主人公のトムを演じるヴィゴ・モーテンセン
この人の演技がこの映画では特に光ってました。
過去があばかれていくにつれて、最初のころの平凡な男の顔から
表情がだんだんと変化していく、この表現力は素晴らしかったです。
あと脇役ででてたエドハリス、最後の方にちょっとだけでてきた
ウィリアムハートもとってもいい味出してました。


クローネンバーグの映画、出血するシーンがとても多いのですが、
この人の映画観ると、血液どろどろの出血ばかりです。
この人の映画を見たあとでは、沢山野菜食わなきゃいけない気になる。