ステイト・オブ・ドッグス

ishidatax2006-03-12

申告もなんとか目処がつき、
久々に名古屋シネマテークで映画鑑賞。
映画は「ステイト・オブ・ドッグス」


主人公のバッサルは主人に捨てられた、もと牧童犬の野良犬。
増えすぎた野良犬を処分するために雇われたハンターに
ある春の日に撃ち殺されてしまう。


モンゴルでは「犬は死ぬと人に生まれ変わる」という言い伝えがある。
バッサルは主人に捨てられ、人に飼われることを望みながらも、
野良犬として撃ち殺されてしまった。
だからどうしても人に生まれ変わりたくない。


しかし生まれ変わる運命には逆うことはできない。
もう一度人間への信頼、愛を取り戻すために
魂の旅にでる、といった物語です。


犬好きな人には結構痛ましい映画じゃないでしょうか。
うち捨てられた、犬の死骸。
罪もないのに、飼い主がいないといった理由で射殺されてしまう犬。
とりたてて犬好きでもない私が見てても痛ましいです。


荒涼としながらも豊かだった自然の風景から、バッサルがたどりついた
殺伐とした人間の住む町は、悲しい思いをした犬に対して、
あくまでも加害者は人間であることを
よく表してるような気がしました。


それとロシアの民主化にモンゴルも翻弄されたようで、
そういったことも、痛ましい野良犬を増やした理由の一つだそうです。


一匹の犬の生涯を通じての輪廻転生が下敷きとなってます。
その中で、許し、癒し、運命を受け入れるといったことが
テーマとなってる。


「ごめんなさい」
私も人間の一人として、バッサルに謝らせていただきます。