欧米ではかなり評判になってるとか、
ヒットラー最後の12日間をみてきました。
個人的には主演のヒットラー役、ブルーノガンツ、
のファンといったこともあって楽しみにしてました。
この人地味で、主演で出る事じたいがとってもめずらしいです。
映画の内容は秘書を勤めた女性のみたヒットラー像と戦争の
終盤にかけて、いかに軍隊が瓦解していくかの過程を描いたものです。
この映画でのヒットラー、普段は温厚な紳士、総統としては
ヒステリックなかんしゃくもちといった感じで描かれてます。
ベルリンがすでに取り囲まれ、もう負けるのが決定的になってくると
いってることがもうめちゃくちゃ。自分自身「総統」のパーソナリティを
コントロールできなくなってくる。
こういったヒットラーの姿、もっとも近いところにいた人が
みた姿なので多少の脚色あっても多分あたってるのでしょう。
盲目的にヒットラーを妄信してる人、見限ってるんだけども怖くて
言い出せない人、どうにでもなれって開き直ってる人、
エトセトラエトセトラ・・・
戦争の最終局面では悲惨ではあるけれども、ある意味こういった
こっけいなどたばたどういった国でもあるんじゃないかとは思いました。
私の映画の評価としては、むむむむむむむ。
正直いけません、といったレベルです。
ドイツ映画のよくないところが出てるような気がします。
すなわち史実の正しさにこだわりつつ(ここの厳密性が特にまずい)、
それなりのドラマを持たせつつ、秘書の懺悔も描きつつ・・・
といった感じで描きたいことの焦点がぼけてる。
特に優れた映像感覚があるわけでなし、いい音楽があるでなし、
特に悲惨さを訴えるようでなし、魅力的な登場人物があるでなし・・
最後まで鑑賞して、いったなにが訴えたかったのか
私にはわかりませんでした。
本当はいま一番興味あるのはヒットラーより別の
指導者を題材にした映画です。
ロシア監督アレクサンドロ・ソクーロフがとった、
イッセー尾形主演「太陽」。
昭和天皇を描いたこの映画、配給会社がんばって上映してチョーだい。
上映することじたいがこのやばそうな感じが特にいいような・・・