鈴木清順監督のオペレッタ狸御殿観てきました。
映画館で新作としてみるのはピストルオペラ以来です。
狸御殿シリーズというのが昔の大映かなんかにあって、
それを鈴木清順がリメイクするということでした。
独特の美意識は健在でしたが、今の観客にどれほど
訴えかけるのかなぁというのは正直な感想。
自分的にはどうしても「ツゴイネルワイゼン」の
衝撃をイメージしてしまうので、さすがにその期待を
超えるのは難しかったか。
映画のあちこちにそのツゴイネルワイゼンのイメージを
下敷きにした絵がありましたが。
面白さ自体では、やはり昔の破天荒なむちゃくちゃさに比べると
やはりおちるような気がします。
昔の映画でも時代劇で着物を着たお侍、お姫様の登場人物が
いきなり歌って踊りだしたりはすごく新鮮でしたが、
それでもその面白さ日本映画自体がもっていた
活力が下敷きにあったように思えます。
はたしてそれがいま有効なのか。
個人的には軽い感じの昔の活劇のようなものを期待しています。
ここって日本かって思えるような舞台での快活な活劇。
日活時代のようなもの。面白く楽しくそれでもって粋。
ホントはその粋なモダンさが鈴木清順監督の真骨頂のように思ってます。
「ツゴイネルワイゼン」「陽炎座」とかが高い
評価されてしまったのがはたしてよかったのか。
日本的な映像美の呪縛。
重さより軽さ。そこを鈴木清順監督には期待しています。
「ツゴイネルワイゼン」を比較の対象としてとりあげながら
みる方は結構勝手です。
あとひとつ発見。
うっかり八兵、意外といい声してました。
