海を飛ぶ夢

ishidatax2005-05-05

アカデミー外国語映画賞とった割には日本ではまったく
話題になっていない、「海を飛ぶ夢」観てきました。
そうあわてて観なくても大丈夫だろうと思ってたら、
ゴールデンウィークが終わると同時に上映も終わってしまう。
急いで上映してるところ探して観にいきました。


首から下がまったく麻痺した主人公ラモン、25歳で首の骨折って
ずっと寝たきり。生きるのは権利でなくて、
彼には義務となってしまってる。
だから自由を求めて尊厳死を選択するも、当然国家はそれを
素直には認めるわけない。
日本でも同じですが、それに手を貸せば殺人罪に問われかねない。


いろいろ手を尽くし、尊厳死協会(そんな団体もあるんだ〜)、尊厳死
理解ある弁護士、こういった人たちの協力を得ながら
裁判をするも負けてしまう。そしてその後・・・


実話を下敷きにしているということで、そういえばかなり以前、
ニュースでとりあげられていたことを思い出しました。


主人公の男性、頭がよくユーモアもある。女性すべてに
愛される資質もってます。主人公を面倒見る家族もみな実直で愛すべき
人ばかり。そういった人のために生きるべきのような気もしますが、
反対にそれは健常者の身勝手のようにも思えます。


海をモチーフとしているのは死と再生をイメージしてる。
ある種の皮肉な結末とあわせても最近になく考えさせられる映画でした。
美しい映像、役者さんの演技もよかったです。


尊厳死という重たい内容を主題にしてますが、
逆説的に生きることの喜びが主題のようにも思えます。
少なくとも観る前、思って程は重たくなかった。
協力者の女性弁護士、ラテン独特の感じの女性でなんというか
大人の女性って感じです。きれいな人ですねー。
すっかりファンになっちゃいました。


いい映画は生きる気力を与えてはくれます。
内容の重たさは私には関係ないです。